『スクラップ・アンド・ビルド』を読みました。役割と人称。

羽田圭介さんの著書を読みたいと思いつつなかなかでした。

ベタですが、芥川賞受賞作を。
内容も書き方も「不思議」さが残る本でした。

面白いし読みやすかったです。

『スクラップ・アンド・ビルド』

『スクラップ・アンド・ビルド』羽田圭介
文芸春秋(2015)(初出「文藝界」2015年3月号) 芥川賞受賞作(2015)

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面白くてイッキに読んだ。121ページなのですぐ読める。

主人公、28歳の「健斗」は、仕事を辞めて時々バイトをしている。あんまり大事にしてる感のない、そこそこな彼女もいる。といった感じの、ゆるゆる系主人公。

家で祖父の介護をしているが、祖父はまだゆっくりでも歩けるので、お風呂の介助くらいなのかな。デイケアやショートステイにも行ってるし。

主に、健斗が祖父との関わりを通して「自分」を見ているという内容。

祖父は度々「死ぬ」ことを言うけど、「生きたいという本能」あってのものかと感じた。誰もいない時にピザ食べてたり、TV観てたり、いつもは杖をついているけど、本当は杖なしで歩けるの?って感じのエピソードがあったり。

そこは解明されないままなので、色々と想像させてもらえて面白い。

どちらかというと「死」の方に近い年齢の祖父だが、人間はどの年齢でも基本「生きる」の方向に向かっているのかなと思った。

そして祖父は、その時の祖父にしかできない「役割」を果たしていたんじゃないかと想像する。

私も祖父母の介護をしたことがあるけど、健斗よりももっともっと壮絶だった。片時も目が離せず、トラブルも多いし介護してる家族も倒れるしで、メチャクチャだった。

だけど祖父母が亡くなってからは、子どもと同じように年寄りが家族の「かすがい」だったんだと思わされた。あれだけ一致団結して協力し合っていた家族と、会う理由がなくなった。

健斗の祖父も、弱くてやっかいものだとしても、大きな「役割」を果たしていたと思う。

それと、人称の書き方が不思議でした。

文章に「一人称」と「三人称」が混ざっている。健斗の目線で書かれてあったり、健斗は○○したとかも書いてあった。ちょっと調べてみたら、羽田さんの得意な書き方のよう。自分らしい文体を持つってすごいな。

弱っちい健斗は、おじいちゃんの前では優越感を抱いている。おじいちゃんも(きっと)それをわかっていて、そういう役割を果たしている。

ありのままに生きるのがいいとは言っても、けっきょく人間は役割を果たすために、その時々に演技してるのかもな。

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