『果てしない物語』を読みました。幼ごころの君に憧れる。

映画『ネバーエンディング・ストーリー』が公開された頃(小学生)、友達がお小遣いを貯めてこの本を買ってたのが羨ましくて……。その頃からずっと、いつかこの本を買って読みたい!と思っていました。

この本はちょこちょこ読まずに、まとまった時間を作って集中して読みました。バスチャンのマネして食べ物と飲み物を用意して、TVとかのない部屋にこもって。はは。楽しかった。

『はてしない物語』

『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ
訳:上田真而子・佐藤真理子 
岩波書店(1982)

●ミヒャエル・エンデ(ドイツ、1929年11月12日~1995年8月28日)
奥さんは訳者:佐藤真理子さん。

映画『ネバーエンディング・ストーリー』

映画化

●『ネバーエンディング・ストーリー』(1984、日本公開1985)
●『ネバーエンディング・ストーリー第2章』(1990)
●『ネバーエンディング・ストーリー3』(1994)

3本もあります。

最初の『ネバーエンディング・ストーリー』はヒットしたけど、裁判沙汰になりましたね。原作の内容を知ると、ずいぶん内容をカットされていることがわかります。映画も面白かったけど原作との内容量が違い過ぎるので、私はやっぱり原作が好きです。フッフールで良かったのになぁとかも思います。


ドラマ化もされているようですが、途中で打ち切りになったらしい。

●『ネバーエンディング・ストーリー 遥かなる冒険』(2001)

※これ以降は、読んでみようか迷っておられる大人の方に向けて書きます(稚拙な紹介ですが)。少々ネタバレありますが結末は書きません。

感想

大きく、前半と後半くらいに分かれるでしょうか。

前半は、ファンタージエンとバスチアンのいる場所がリンクしているのが、アトレーユの険しい冒険と共に、ジワジワと明確になっていきます。前半のラストは、バスチアンが「幼ごころの君」に「月の子(モンデンキント)」という新しい名前を付けて、虚無に飲まれそうだったファンタージエンは助かります。

そして後半は、バスチアンがそれからどうしたか、どうなったかってことです。

これがなかなか、主人公が子ども(10歳)なだけに恐ろしい内容です。人としての弱さや心の闇・疑い・慢心等から、陥りがちな罠にどんどん引っ張られていきます。

いじめられていた太っちょのバスチアンが、「月の子」より預かったアウリンの力によって、どんどん強くなり……どんどんダメな方に変わっていく。

あぁ、思い出すだけで胸がどきどきする。

(あかがね色のクロス張り&アウリン付き。バスチアンとおそろい。)

女王 幼ごころの君

一番心に残ったのは「女王 幼ごころの君」の、ファンタージエンの”統治方法”です。

幼ごころの君には支配するということがなかった。圧力を加えたり権力を使ったりしたこともなければ、命令を発したり裁いたりということも一度もなく、また、攻めることも守ることもなかった。幼ごころの君に反抗したり、攻めたりしようと思うものはいなかったのだ。幼ごころの君の前では、みな何のへだてもなかった。

女王 幼ごころの君は、全てのものを分け隔てなく、ありのままに、そのままにしておきながら国を統治しています。起こるべくして起こるものを全てそのままに。善も悪も……。

幼ごころの君は、ただ存在するだけ。ファンタージエン国のあらゆる命の中心。全ての魂・エネルギーとして「在る」という感じでしょうか。

幼ごころの君が病気になるのと、ファンタージエンが”虚無”に浸食されるのとは同じこと。その問題解決のために「アトレーユ」は幸いの竜フッフールと共に、大いなる旅に出ます。

幼ごころの君は、神的・全エネルギー的存在だから人間とは違うけど、人や状況を変えたいと願うような心(コントロール欲)が湧きでた時には、幼ごころの君を思い出して少し沈まりたいと思いました。まぁ難しいだろうけど。

全ては起こるべくして起きている。全てはパーフェクトだという思想が伺えます。

様々な登場人物から教わること

旅の途中で出会う「人狼グモルク」は、”虚無”に飲み込まれたらどうなるかを語ります。それが人間世界とファンタージエンの関係について紐解く内容なんですが、現代を生きている私達にも多いにリンクしているようなことで、どきどきします。

巨大ライオン「グラオーグラマーン」も教えてくれます。「あなたさまはご自身の物語を体験なさらなくてはなりません。」とバスチアンに言うのですが、バスチアンには次に進む道がわからないんですよね。そしたら「望みを持つこと」だと言うんです。真の意思を持つことだと。

こんな感じに、色んな登場人物や出来事が読み手を巻き込んでくれる箇所が多々あります。私はいちいち引っかかり、思い出し、考え込みました。だけどそれが全部楽しかったのです。

壮大な冒険の随所に、考えさせられるところが秘められています。

おわりに

590ページあるのでサラッとは読めませんが、対象は「中学生以上」と書かれていて”フリ仮名”付き。バスチアン気分を味わうには、読む前に「パンとりんごと毛布」等を準備しておくと、より臨場感を味わえると思います。

児童文学のジャンルとされていますが、人生に迷ってしまった大人だからこそ、読解できる部分も大きいと思う内容です。

●私が購入したのはこちらの大きい本。

※岩波少年文庫(上・下)もあります。

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