『コンビニ人間』を読みました。

『コンビニ人間』村田紗耶香 文芸春秋(2016)芥川賞受賞

感情希薄な主人公が、たんたんと語る。

日常的な場面ばかりでイメージしやすいけど、その一時の深さというか、うねり歪みが主人公を通りこしてこっちに来る感じで、息苦しくなった。

私は主人公とは真逆で、無駄に感情が動き過ぎて疲れ果てるタイプだ。
だから、主人公が出来事を深く受け止めない時は、あみだくじの半円の1本飛ばし曲線みたいに、こっちに来てしまうのかな。

白羽は薄気持ち悪い。
何か言い返して叱りたい気になるのは、義妹もコンビニの人も、読者もそうだろう。

だけど、主人公は「はぁ」って熱のない相槌するだけ。
人の言葉を真剣に聞き過ぎないのもいいなぁ、と思って勉強になった。

ラストで、主人公を生かすものが何なのかわかった所は圧巻だった。

熟知してないとわからない細々した「気付き」は、けして指示待ちでもマニュアルでもない。コンビニという職場を大事に働いてきた毎日の積み重ねからくるもの。立場がどうであろうとプロなんだろう。

指示してもらえれば…と言いつつも、コンビニの仕事は現場のニーズを熟知して自分でちゃんと動いている。バイトの立ち位置での仕事が、一番合ってるんだろうな。

生き甲斐がみつかる人なんて、ホントに少ないと思う。
結婚とか出産とか正規職員とかも、それが本当に幸せなら素敵だけど、苦しみも幸せも感じず考えず、ただ「普通」にしがみついている人達は多いだろう。そういう人の生き甲斐は「普通」でいることなんだろうから、噛み合うはずはない。

私も仕事が大好きだったから、ラストは号泣。
同じ仕事を継続した後、身に付いたノウハウがどんどん現場で生かされていくあの喜び。手に取るようにわかるという感覚。すごく伝わってきた。

大変面白い作品だった。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ おひとりさまへ

スポンサーリンク
スポンサーリンク




スポンサーリンク




フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク