現代版絵本御伽草子『はまぐりの草子』を読みました。美しい絵と現代風アレンジの御伽草子。

『はまぐりの草紙』

[現代版] 絵本 御伽草子『はまぐりの草紙』文:橋本治 絵:樋上公実子 講談社2015)

シリーズ全6巻。
御伽草子のお話ですが、現代の作家さんがさらに想像をふくらませて新たに書かれております。

舞台は天竺(てんじく ※昔のだいたい中国)。母親と2人暮らしの「シジラ」という40歳未婚男性が主人公。はまぐりの中から出てきた女性を家に入れる。

…その後の話は、鶴の恩返し+竹取物語みたいなことに展開しました。昔話らしく「教訓」があって、伝えたいことはわからなくもないですが、ピンとは来ない感じです。それを、作家さんがわかりやすく、文章の中でご自分の見解をもって解説しておられます。

何の予備知識もなく、ただただ「キレイな本だな~」と思って読みましたが、この本、なかなか面白いです。文章が現代的で、ホームセンターとかマザコンとかの言葉が出てきて、作者(兼訳者?)の現代的な説明が時々なされます。面白いしわかりやすいです。

本の最後には「原典」も付いています。原典の冒頭はこんな感じ↓。

天竺魔訶陀国のかたはらに、しじらと申す人あり。世にすぐれて貧しき人にておはしけり。父にははやく離れ、母親1人もち給ひけるが、其頃天竺ことのほか飢饉ゆきて、人疲れて死すること限りなし。……(『はまぐりの草子』p28)

こういう文章をじっくり読み解くのも面白いんですけどね。なかなか読者を遠ざける言葉の羅列です。絵本の方は現代風アレンジとなっているので、すらすら読めて早めに楽しめます。

現代っぽさが加わっても、話の筋は崩されていません。ただ、「ラスト(※書きません)」は少々オリジナルが付け加わって、ほほーとなりました。

カラフルでキレイなんです。ページにも時々、色がついています。

このお話は、「はまぐり」から女性が出てきます。昔は、桃からも竹からも、人が出てきました。最近は、サザエさん一家がフルーツから出てくるくらいでしょうか。何かから出てくるお話っていいなぁ。

この物語の主題は「親孝行」。

主人公のしていることが、本当に親孝行なのかよくわかりませんが……昔は年長者を敬うのが今よりももっと当然に近かったのでしょうね。場所が天竺だし、異世界っぽい話でもあるので、昔の日本とも言いきれませんが。理解できにくい部分があるのも、昔話だからってことで合点がいきます。

だけど面白い本でした。

絵本と言っても、全てのページに絵があるわけではなく、挿絵っぽいです。ほんとキレイでうっとりします。

御伽草子を読もう!って気になったことはなかったけど、この本を読んで興味がわきました。原典は難しそうなので、この本のシリーズを全部読んでみようかな。

[現代版] 絵本 御伽草子 他5冊

6冊セットでも販売されているようです。
作家さん方がどのように描かれたのか、すごく興味をそそられます。

『付喪神』文:町田康 絵:石黒亜矢子
『象の草子』文:堀江敏幸 絵:MARUU
『木幡狐』文:藤野可織 絵:水沢そら
『うらしま』文:日和聡子 絵:ヒグチユウコ
『鉢かづき』文:青山七恵 絵:庄野ナホコ

おわりに(御伽草子と蛤女房)

御伽草子に関しては、Wikipedia「御伽草紙」にわりと詳しく書かれていて、結構おもしろいです。Wikipedia「蛤女房」は衝撃的。ご参照あれ。

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