吉村萬壱『ボラード病』を読みました。

『ボラード病』

吉村萬壱 2017文春文庫(※単行本2014文芸春秋、初出2014文藝界)

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予備知識ゼロ。
たまたま本屋さんで手に取ったら「ですます調」の文体と、冒頭の文章が気になって読んでみました。

児童文学のような文章が続きます。
ところどころ内容が「?」になります。

読み進めてようやく、被災後の町の話なのだと分かりました。
ものすごく異様な雰囲気です。

主人公と母親がおかしいのかと思いきや、読み進めると逆で、町全体の方がおかしさに飲み込まれていました。子ども達が亡くなることや、生産物に気を付けていることからして、災害が特定できます。

主人公の隣家の人達も、良い人に見えて本当に怖い。お母さんが神経質なのだと最初は思えましたが……。

被災という特異な状況に限らず、身近なところでもすでに起こって飲み込まれてしまっていることのような気がします。小規模だけど「女子会」とかも似てるかな、と。

力を合わせるのも仲良くするのも、悪いことじゃないのに何故だかしんどくなる。
逸脱者を放っておかない集団とは反対に、見て見ぬ振りという集団もあるよなぁと思いました。

読後は重くなる内容だけど、すぐにもう一度読みたいと久々に思った作品でした。
ディストピア小説というのだそうです。

吉村萬壱さんは『クチュクチュバーン』(文学界新人賞)の作家さんでした。
1回聞いたら忘れないタイトルなので、覚えていました。

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