田中慎弥『共喰い』を読みました。

『共喰い』

田中慎弥 2012集英社(文庫本2013集英社文庫)
第146回芥川賞受賞

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この作品の舞台は「昭和63年の7月」から始まります。
主人公の遠馬は「17歳」。

余談ですが、田中慎弥さんは、私(青玉)とほぼ同い年です。
で、計算してみたら、著者(&私)も、昭和63年に17歳でした。主人公と同い年。

平成に変わる少し前のお話だけど、「戦争で」とか「下水が整備されていない」というエピソードから、昭和初期のような雰囲気を感じました。

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父親の暴力的な性行為によって産まれた遠馬。その血を受け継いでいる自分に気を付けないとと思いつつ、父親と同じように女性に暴力をふるってしまいます。

遠馬は、父親の暴力的な行為を見ているから、きっと頭でリピートして考えているうちに、否定しつつも興味になったのでしょう。性欲盛んな時期に、暴力も合わさった興奮。

強烈なことは頭で繰り返されるから、何度も予習してるのと同じだろうな。

ずいぶん狭い人間関係です。

町の中のいくつかのアイテムが、人物の心や考え方を表していて、読み込むのが面白い作品でした。気持ちの良い内容ではないけど、地の文が美しくて丁寧に読みました。

性と暴力が出てくる作品は、吉村萬壱氏の『ハリガネムシ(過去記事)』で免疫ができたので、今回はあっさり目に感じました。物足りないってことではないです。

ハリガネムシも芥川賞受賞作品。吉村氏の地の文も、とても美しくてうっとりします。

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文庫本の最後に、瀬戸内寂聴さんとの対談があって、寂聴さんにかかっては田中氏も一人の若者という感じで、なんか笑ってしまいました。寂聴さんの著書のあとがきみたいw。

田中氏の謙虚さも醸し出されいます。芥川賞での発言がすべてではない、奥深いお方だと、好感を持ちました。

寂聴さんってすごい。

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