百田尚樹『モンスター』を読みました。

百田尚樹『モンスター』

2012 幻冬舎文庫(単行本 2010 幻冬舎)

私事で……
先日、いつも使っているテーブルの脚を「付け替え」た。カフェテーブルの真ん中の一本脚をはずして、角に四本の脚をつけた。これで、椅子がテーブルの下に入るようになった。

また気が変わるかもしれないので、一本脚も捨てずに置いておく。

付け替え作業をしながら、「私の脚も付け替えできたらいいのにな」と思った。今の自分の脚は、とても太くて短いのでずっと気になっている。だからボトムスは何を選んでも格好が悪い。

一度でいいから、すらっとしたモデルの脚になってみたい。「ミニスカート」や「白いスキニー」をはいて、街を歩いてみたい。

だけど、上半身とのバランスもあるし、今みたいに背が低いのにもメリットがある。だから、付け替えができたらいいのにな、と思うのだ。

『モンスター』の主人公はもう、昔の自分とは全く気付かれないほど、変化する。気付かれない良さもあり、気づかれない切なさもある。

登場人物の一人に、田舎に帰るときには「顔を元に戻す」という女性がいた。簡単な整形だったら、「付け替え」も可能のようだ。

主人公が一体どこへ到達するのか。最初からずっと気になり、一気に読了した。整形、風俗、暴力、性描写、いじめ……闇なエピソードを多々含みながらも「純愛小説」だった。

主人公の田淵和子(後に鈴原未帆)は、顔を整形をするために、風俗で働いてせっせとお金を稼ぐ。和子のそれまでを思うと「整形も風俗も頑張って!」という気持ちが沸いてくる。そう思うほど容姿が切実なのだ。

美しく生まれ変わったのだから、昔のこと全部忘れて生きればいいのに……と思ったけど、主人公は、自分は「和子」なんだということから離れられない。

そして、幼児期のたった1つの淡い思い出が、支えにもなり、足かせにもなり。

なんとも切ない話だった。

エピローグについて(個人の見解)

(※ ラストについて思うことを書きます)

本編のラストの後に、エピローグがあります。
本編のラストを読んだとき、百田さんって優しいなぁと思った。悲しいのだけど、思ったよりも優しいラストだった。

そして、その後の「エピローグ」がまた別のラストへと導く。
最初にエピローグを読んだとき、主人公が人生を捧げた男はこの程度の男だったんだ、男なんてみんな同じだ、と思ったのだが……「アケミ」のことを思い出した。アケミは彼に殺された。彼はアケミを他の男にやりたくないと思って殺した(これは主人公の見解)。「殺されるほど愛されるって、なんて幸せなんだろう」と主人公は言っている。

だから、主人公の遺体第一発見者(店員)の証言は「一緒にいた男は主人公を放置して見殺しにした最低男」ということだったけど(これも店員の見解)……英介は主人公を本当に愛して、誰にもやりたくなくて「殺した」のだったら、主人公の解釈で考えれば、最高の愛を得て「殺された」のだと思うのだ。主人公は直前に、他の人と結婚するとか言い出してるし。

そうなると、エピローグのおかげで、本編のラストよりも更に、大ハッピーエンドになったことがわかる。けして手を叩いて喜べる内容ではないけど、主人公の思いは達成されたのかと。

文章作品の成せる業。
疲れるほど、面白い作品だった。

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