宮下奈都『羊と鋼の森』を読みました。

『羊と鋼の森』

宮下奈都 2015文芸春秋(※文庫本2018文春文庫)

作品を読んでみれば素敵なタイトルだなと思うけど、なぜかタイトルに抵抗を感じて、読み始めるまでに時間がかかった。

***

キレイな文章がいっぱい出てくる本だった。
頭に浮かぶ映像も美しいから、洗浄されるような感じがした。

山奥で生まれ育った男の子は、調律師になる。
調律って、かなり繊細な職人技なのだろう。

私も趣味でずっとピアノを弾いてきたし、ピアノの中を開けて見るのも好きだったので、過去のそういう経験が今回の読書に役に立ったと思う。

読んでいて、何度か静かに涙が出た。
悲しい場面にではなくて、静かな感動で。

キレイな話だった。
たまにはこういうお話に触れるのもいいなと思った。

和音のピアノの音を聴いてみたい。

1つの職業を描くこと

読後に色々な人のレビューを読んでみた。

中には少し辛辣な意見もあった。私は調律にも音楽にも詳しくはないので、ただただ1つのストーリーとして楽しめた。

だけど、その業界に詳しい方からすると、違和感を感じるところもあるのだろう。私も、自分が何十年も携わった仕事に関わる小説を読んだら、きっと手厳しく読むと思う。以前、ある教授の論文を読んだとき、現場の描写に大きな違和感を感じたことがあったのを思い出した。その論文は机上の空論だと感じた。

1つの職業を描いたら、手厳しい意見もあって当然だ。
同時に、作家も1つの職業なので、作家にしかわからない部分があると思う。

文章って、難しくて自由だな。

登場人物のイメージ

映画未視聴で読んだので、キャライメージを自分で作る楽しみがあった。

私のイメージ的には、外村くんは細マッチョで(山育ちだから)顔も外見もかなり普通、板鳥さんは天然パーマでコロンボみたいな雰囲気、柳さんも細マッチョで173cmくらい。秋野さんは眼鏡をかけていてスラッと細くて長身。北川さんは色々と諦めて憂いもあるけど開き直って明るい感じの女性。

そんな感じで想像して読んだ。
読後に、映画の俳優さんを調べてみたら「おー全然違う」と思った。映画を観てみたら、役に合ってると思うかもしれないけど、随分違った。

そういうのがまた面白い。

***

爽やかで心地よくて面白い作品だった。

読み終えて、そばに生ピアノがないことが残念だと感じた。
今住んでいる賃貸には、電子ピアノを置いている。ヘッドフォン使用で音をもらさないように。調律不要なので管理が楽だけど、タッチも音も、生ピアノとは比べものにならない。ついでに実家に放置されているピアノのことも思い出した。修理の域だろうな。

今度いつ、生ピアノ弾けるかな……というのが、読後一番に思ったこと。
書き方うんぬんストーリーうんぬんよりも、こういう感想を持つということは、引き込まれた証拠なのだと思う。

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